滞納した家賃は分割払いできる?支払いを待ってもらう方法・分割にする方法や払えない時のリスク等を解説

家賃は、収入に対してかなり高い割合を示していることが多いので、滞納している人がたくさん見られる状況です。

何か急な出費や給料の減額、失業などが原因で家賃の滞納につながっているのです。

しかしながら、家賃が支払えないからといって簡単に部屋から退去することもなかなか難しい問題です。特に家族がいる人は住むところを失ったら、通学、通勤にも差支えがありますし、引っ越しも大変な出費と労力を要することとなります。

家賃を滞納すると、家主さんも困るので一括請求をすることとなりますが、毎月の家賃さえ支払えない苦しい状態の中、支払いはかなり難しい状況です。

そこで、分割支払いの方法を探りながら、家賃を滞納した時のリスクについてもご紹介します。

この記事でわかること
  • 家賃の分割払いは基本的にできない
  • 滞納した家賃は貸主との交渉で分割がOKになる可能性もある
  • 賃貸の家賃を待ってもらうにしても、支払い期限日以前になるべく早く連絡を
  • 退去後の滞納家賃を分割にしてもらうことも相談次第
  • 分割で家賃を払うなら貸主と合意書を交わす

滞納した家賃を分割払いにできるのか

一括で滞納分を支払うことはとても無理なので、貸主にお願いして分割払いで少しずつ支払いできる場合があります。

貸主にとっても裁判を起こしたり、強制的に退去してもらうには時間と手間もかなりかかります。

また、一番の悩みはそんな対応をすることで費用も半端でない額が必要となるのです。そのことが少しずつでも分割で借主に支払ってもらう方法を認めざるを得ない理由にもなっているのです。

借主ができる限り早く全額を返済してくれることを願って貸主が分割を認めることがあります。

貸主(大家さん・管理会社)に相談することで分割払いに応じてもらえる可能性はあり

まず、滞納しそうな時は貸主になるべく早く連絡します。すでに滞納している場合も少しでも早く貸主側と連絡を取ることが大切です。

連絡する際には、どうして家賃を滞納しているかについて正直に誠実に話すようにします。例えば、失業した、病気になって働けない、事業に失敗したなど支払いが遅れている理由を話します。

しかし支払う強い意思があることもしっかり主張します。そして滞納分は分割払いでと率直にお願いしてみます。

毎月いくらずつ返済して、滞納分の支払いをいつ終えるかなど具体的に説明することも必要です。

翌月からの家賃はしっかり満額支払うという約束も重要です。

分割返済の許可が下りたら、今後は必ず約束した通りの返済を行い、信頼を得ることがとても大切なこととなります。

分割を認めざる得ない貸主側の理由

貸主側は家賃の滞納分を借主が全額支払ってもくれるのなら、分割払いでもしようがないと考える場合が多いのです。

法的に家賃を取り立てようと思うと、貸主は借金返済を依頼する督促状を作成したりや訴訟の手続きなどにかなりのお金や手間がかかるからです。

例えば、弁護士に依頼する費用、訴訟費用、強制退去にかかる費用なども高額です。このような費用のことを考えると借主が滞納分を分割で支払いたいと希望してきたら、それを受け入れる方が時間や手間もかからないと判断することが多いのです。

もちろん、滞納分の分割を認めるのは借主が真摯な態度で滞納の理由を話し、分割支払いを認めてくれれば必ず支払う意思があるということを確認できた場合のことです。

分割でも確実に支払ってくれる信頼のおける人であることを貸主が確信できれば、滞納家賃の分割払いが可能となるのです。

滞納家賃を分割払いにする方法

家賃の滞納が続くのは借金が増え続けていくことです。家賃が収入のかなりの割合を占める高額な金額なので、長く滞納が続くと取り返しのつかないことになります。

今後、家賃滞納分をどうにかして返済するという気持ちを貸主にわかってもらえるよう強くアピールすることが必要です。

そのために、必ず返済しますという具体的な計画書を作って貸主に提出することも有効です。

これら一連の手続きを弁護士など専門家にお願いすることで双方に安心感が生まれるとも言えますが、費用が発生し、ただでさえ家賃が払えないほどの経済状態であることから考えると難しいかもしれません。

また、カードローンなどであればある程度のまとまったお金を用意することが可能なので、それを利用するのも一つの方法です。

大家さん・管理会社に返済額・返済期間など具体的な提示して相談をする

貸主に対して具体的にどのように返済する予定なのかしっかり提示すると借主も安心して、相談にのってくれます。

毎月いくらずつ返済し、どのくらいの期間で返済終了となるのかなど、書類にして提示するといいでしょう。またその返済額が借主の収入に対して無理はないのか、今後も住み続ける場合はこれ以降の家賃は滞りなく支払うこともできるのかなども明確にします。

貸主は具体的な返済計画に目を通して返済が可能であると納得した場合は、引き続き部屋を貸してくれる可能性も高くなります。

合意書・覚書等を作成し双方が納得できる方法を選ぶ

貸主と借主の間で合意書・覚書を取り交わすことはただ単に話し合い、口約束するより気持ちの上でも強い決意を持てるようになりますし、早くお金を返済して、この状態から抜け出そうという気持ちにもつながります。

借主のみならず貸主も話し合いにおいて合意に至るまでには精神的負担や手続きの煩わしさはかなり大きいのです。

借主としては、合意書まで作らなくても「必ず約束通りに返済する」という約束を貸主は信用してくれないのかと不満に感じるかもしれません。

しかし、合意書を作成することで、返済に対する決意も生まれるというものです。話し合いの結果を文書にまとめて署名するひと手間で、両者が万が一、約束を違えた時にもスムーズに事が運びます。借主にとっても今後突然一括返済を求められたり、退去命令を出されることもないという証ともなります。

仮に、第三者が話し合いの間に入ってくれたとしても、合意書・覚書は後々のトラブルを回避するために作成するべきです。

合意書・覚書で必要な内容・項目

合意書・覚書には、総支払額、一回に支払う分割金額、支払期日を書きます。

第1回目の支払い日と最終の支払い日、銀行振込口座番号、口座名義人も明記するとさらにわかりやすくなります。

また合意した日(年月日)を書き入れます。

合意した事項が守れなかった場合のペナルティ(罰金など)も決めて書いておくと、後でトラブルが起きた時にも役に立ちます。

合意した双方の署名捺印を忘れずに行います。

この書類は約束事の証拠となるので大事に保管します。

弁護士に間に入ってもらって交渉をしてもらう

家賃を分割払いにして欲しい時には、支払う意思を明確に示して借主が貸主にお願いしなければならない案件です。

貸主との交渉が煩わしくて、上手くまとめる自信がないからと弁護士にお願いしたいと考える家賃滞納者もいるでしょう。

貸主が弁護士を立てて交渉してくる場合もあります。賃貸に対する知識が浅い場合など弁護士に交渉事を頼むと複雑な手続きをお願いできて精神的にも安心できるし、いい条件で話をつけてくれるかもしれません。また催促の連絡も直接も来ないようになり、他人に滞納を知られる危険も減ります。

反対に、貸主が近所の人や以前からの知り合いであるなどが原因で話し合いがしにくくなっている場合などは弁護士をわざわざ交渉の場に立てることによって話し合いが気まずくなることもあります。

弁護士にお願いするのには当然、費用がかかります

できれば自分で交渉するとか、双方に信頼のある第三者に入ってもらうことで解決できるといいでしょう。

カードローンで借りてカードローン会社に分割返済する

家賃が支払えない時、カードローンでお金を借りて支払うこともできます。

貸主にお願いして分割支払いを希望する時でも、相手方と交渉したり合意書を交わしたり、手間がかかります。

カードローンは審査が素早くお金がすぐ手に入ります。限度額内であれば何度もお金を借入れることもできます。

そこで家賃の滞納は後々大変ですのでカードローンで一括支払いすることもできます。

当然、利子は付きますが、その額をカードローンの分割返済していけば、とりあえず比較的簡単に滞納分の返済は終了します。

滞納で保証人に連絡されるなど迷惑がかかることもありません。

どれくらいの金額・期間での分割支払いができるのか

毎月の返済金額と回数はその状況に応じて決定することになります。

借主の経済状態も考慮しなければ、せっかく分割支払いが認められても支払い不可能になってしまいます。

例えば月額5万円の家賃を2か月滞納して10万円を返済しなければならない場合は、1回の支払い金額を2~5万円として2回~5回払いでの支払いが多くなっています。

滞納額が10万円を超えて数十万円になれば、5万円として4回~6回くらいが限度でしょう。

滞納金額が50万円ほどになれば、最低5万円支払って10回ほどという話を聞いたことがあります。

しかし滞納額が高ければ、返済期間も1年以上と長くなってしまいます。

滞納した家賃を退去後に分割支払いできるのか

家賃の支払いが困難で退去を考える借主がいます。

その場合も、貸主に率直に現在の家計状況を話して、滞納分を分割支払いにしてもらえないかお願いしてみます。

基本的に家賃の分割払いというのは認められていないわけですが、貸主と話し合いをもって了承が得られれば退去後に分割で支払いをすることが可能な場合があります。

退去後の連絡先を明確にして必ず連絡が取れるような状態で、分割支払いの滞納家賃を支払うことを約束した合意書を交わした上で退去を許可してもらいます。

大家さん・管理会社による、相談することでできる場合もある

貸主も借主の経済的な事情を考慮して分割でも支払いしてもらえば、支払いをせずに退去して逃げられてしまうよりはいいと考えて退去後の分割支払いを認める場合があります。

今、支払っている家賃が重荷の借主に対しては退去を許してあげないと、今後もますます滞納が続くと推測されるからです。

この先、滞納のリスクのある借主に引き続き入居してもらうより、確実に家賃を支払ってくれる入居希望者がいる場合はその人に入居してもらう方が利益が上がるとも言えます。

滞納歴がバレると入居審査には落ちるので退去前に解決する方が引越しやすい

家賃滞納している部屋を退去したら当然、住むところがなくなるわけですから、どこか新しい部屋を借りなければなりません

その際に、滞納歴が問題になって新しい部屋を貸してくれる貸主を探すことが難しくなります。

もし、保証会社を使用して部屋を借りている人は信用情報に傷がつき、今後の住宅ローンや自動車、教育ローンなど使えなくなることがあります。

家賃一つの滞納を放置するだけで、今後の生活の経済設計に大きく影響を及ぼすことが十分考えられるのです。

退去前に多少無理をしても滞納家賃を支払ってしまう方が新しい住居を見つけやすくなります。

分割払いの家賃が払えなくなった時のリスク

家賃を滞納して、滞納分を分割で支払うという約束を貸主との間に取り交しても、その分割滞納家賃が滞ってしまうケースがあります。

支払えない時は、支払い日より前に直ちに借主や保証会社に連絡を取ることが大切です。

そして支払う意思はあるのですが、支払いが遅れることの理由を丁寧に話し、納得してもらいます。また、いつまでに必ず支払うということも示す必要があります。

せっかく分割にしてもらった支払いがまた、遅れることを丁寧にお詫びします。家賃支払いの催促を放置することは絶対にいけません。この時の対応で退去勧告がされることがありますし、保証人や保証会社に迷惑がかかってしまうのです。

貸主との信頼関係が壊れたら、強制退去の流れとなる場合が多いのです。

保証会社にはブラックの履歴が残り、同じ保証会社の物件は借りられない状況となります。

保証人・保証会社に督促がいく

締結した分割での支払いをまた滞納すると保証人や保証会社に督促が行きます。

せっかく保証人を引き受けてくれた人には迷惑がかかります。保証会社は立て替えて支払いをしてくれますが、その後家賃の一括返済を厳しく請求してきます。

分割払いの滞納家賃を支払えない場合も支払う意思のあることを主張し、支払い期限の猶予を認めてもらうとか何らかの対策を講じなければなりません。

貸主との信頼関係が壊れることによって強制退去になる

滞納料金分割払いの合意書を交わして支払いをするのも、貸主のご厚意で行えることを忘れてはいけません。滞納家賃は一括返済で請求されて当然なのです。

その分割支払いまでが不履行ということであれば、貸主も借主に対して不信感を抱くのが当然のことです。裁判に持ち込まれ、強制退去の方向に進まれても致し方ないのです。

もちろん強制退去した後も滞納料金の返済義務がなくなることはありません。

強制退去ということになれば新しい住まいを探すための手数料、引っ越し費用など益々お金が入用になります。それより前に、今までの家賃滞納がブラックの履歴となり、部屋を貸してくれる貸主も制限されます。

保証会社に滞納歴が残るので同じ保証会社の物件には住めない

保証会社に分割支払いさえも滞納しているということが知れてしまいます。そのため今後、この保証会社が関係している借家を借りることはできません。信頼関係が損なわれているからです。

新しい住まいを選ぶ時はこの保証会社と関係のない借家や貸主を探すことになります。

保証会社を利用していない貸主から直接で借りられる部屋や借家を探すしかありません。

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