過払い金

過払い金請求してみたらどうなる?デメリット・リスクや戻ってこない場合・自分でできるが法律専門家に相談する方がいいのか等も解説

借金問題を解決するひとつの選択肢として過払い金請求という方法があり、グレーゾーン金利による利息制限法の上限金利20.0%(注1)を超えて支払った金額を取り戻すことができます。※(注1)元本10万円未満のとき→上限金利年20%、元本10万円~100万円のとき→上限金利年18%、◯元本100万円~とき→上限金利年15%

過払い金請求は請求には5〜10年の時効(注2)があり、借金完済後・借金返済中でその後に債務者に信用情報の問題が起こることがあり、慎重な検討が必要な場合もあります。(注2)取引終了時から10年、2020年4月1日より施行の改正民法下では、上記時効期間に加え、「過払金返還請求ができることを知った時から5年」を経過した場合にも時効になります。
過払い金請求は成功すると引き直し計算により算出した金額返還や、借金総額の減額など、多くのメリットが期待でき、弁護士依頼だけでなく自分で請求することも可能です。

過払い金請求はメリットだけでなくデメリットや債権会社と交渉など、個人ではハードルが高く、成功確率を上げるには弁護士のサポートが必要なことも少なくありません。

どちらの選択をとる場合でも最初に減額診断で解決法を確認し、過払い金請求を含めた借金問題の解決をリスクを抑えながら確実に進めていくことが重要になります。

この記事でわかること
  • 過払い請求とは利息制限法の金利20.0%を超えたグレーゾーン金利の過払い返還制度
  • 過払い請求のメリットは引き直し計算で算出した金額利息の返還借金減少
  • 過払い請求のデメリットは信用情報が毀損され金融機関の契約に支障が起こる
  • 過払い請求は自分でもできるが難易度が高く弁護士に依頼する方が安心
  • 過払い請求しても戻らない理由は時効成立請求先会社の倒産などがある

【目次】このページ先読み

過払い金請求とは

過払い金請求とは過去の出資法・貸金業法などの現在の上限金利20.0%を超える金利での貸付が法律で認められていた時期に支払った過払い金を返還する手続きのことをいいます。

このグレーゾーン金利とも呼ばれる高金利を現在の利息制限法で見直し、過去に払った分のお金を返還または残存する借金に充当させることが可能です。

過払い金請求は最後の支払いから5〜10年(注2)の時効が存在し、時効成立前に弁護士自分で作成した請求通知を契約先の消費者金融会社に通知し交渉する必要があります。

この時すでに契約先の会社が倒産していた場合、過払い金請求を成功させることが難しくなり、お金が戻ってこない可能性もあります。

過払い金請求はメリットがありますが、借金完済前に請求し借金が残ると信用情報が毀損され債務整理と同等の制限を受けることになるので注意が必要です。

過払い金とは

金融機関は国が規定する法律を遵守し貸付を行う義務があり、金利も法律の定めた範囲で計算されています。

しかし実際に契約で発生する利息が過払いとなり、本来支払う金額を超えて請求されることで債務者に損失を与えるケースがあります。

この債務者の返済負担の原因となる、余分な支払い金を過払い金と呼びます。
では契約履行で法律を遵守しているのに、なぜ過払い金が発生するのでしょうか?

その原因は利息制限法出資法貸金業法グレーゾーン金利にあります。

グレーゾーン金利と過払い金について
旧出資法では上限金利29.2%、旧貸金業法ではみなし弁済による任意利息払が認められており、利息制限法の上限金利20.0%を超えても超過利息の請求が許されていた。

2010年法律改正に伴い現在の賃金業法では、上限金利20.0%を超える利率は違法だが、それ以前はグレーゾーン金利として多くの金融機関で利用されていた。

過去にローン契約で上限金利20.0%を超えて支払いをしていた場合、現行の賃金業法にもとづき超過利息分を過払金として返還請求できる。

過去に金利上限の異なる法律が複数あり、債権者は契約で金利の高い法律を遵守したことで、過払い金問題が起こっているのです。

弁護士に頼まなくても自分でできる

自分の契約が過払い金に該当するとき、一般的には債権会社に対して弁護士を通して過払い金の請求をすることが多いでしょう。

しかし明確なルールは規定されておらず、自分で過払い金請求することも可能です。
世の中には弁護士による正式な手続きに頼らず、過払い金返還を成功させている人もいます。

何事も自分で調べ問題を解決したいと思う人は、チャレンジしてもいいかもしれません。
情報化社会の現代ではインターネットや専門書を活用して正確な情報を収集することができるため、過払い金請求に必要な情報を得ることも可能でしょう。

詳しくは後述しますが、自分だけで過払い金請求を進めるとデメリットも発生します。
スポーツと同じでトレーニング本を読んで知識や技術を知ることができても、必ずしも実践で思い通りのパフォーマンスが出せるとは限りません。

特に過払い金請求の要である返還金額を確定させるには、引き直し計算と呼ばれる高度な計算が必須になります。
取引の回数や状況により引き直し計算は煩雑になるため、数字に強い人であってもミスなく金額を算出することは至難の業となることが予想されます。

過払い金請求も同様で、法律専門家である弁護士のサポートを受けながら、確実に進めた方が良い結果に繋がることもあるのです。

請求ができる対象は消費者金融会社(カードローン)・クレジットカード会社(リボ払い・キャッシング)

過払い金請求はどんな金融機関契約でも適用されるわけではありません。

過払い金請求が法律で認められているのは消費者金融会社のカードローン契約や銀行系列が融資するクレジットカード会社の契約に限られています。
銀行のローン契約など上限金利20.0%の範囲で借入した契約もすべて該当しません。

闇金など法律を守らず金融融資をしている組織に対しては、過払いを含め最初から債務者に支払い義務はありません

賃金業法が改正される2010年以前では、クレジットカード会社のリボ払いは多くの契約で上限金利を上回る金利で計算されていました。(リボ払いに過払い金は発生するの?過払い金請求をする方法やデメリット・対象クレジットカードや請求できないケース等解説)

リボ払いは借金地獄の原因となることが多く、長期間返済を繰り返す債務者が過払い金請求を成功させれば借金減額過払い金相殺による完済など大きなメリットが期待できます。

またクレジットカードでお金を借入するキャッシング枠にも、同様に高い利率を設定する企業は珍しくありませんでした。
法律改正前はこのグレーゾーン金利が原因で、多くの債務者が借金返済に苦しめられ多重債務に陥ることになりました。

過払い金請求を開始する前に、自分が金融機関と結んだ契約内容を精査し、請求条件に該当しているかを確認してください。

借金返済中と借金完済後ではメリット・デメリットに違いがあるので比較検討する必要がある

過払い金請求には請求するタイミングによって状況が異なることはご存知でしょうか?

過払い金請求は借金返済中借金完済後では、メリット・デメリットが違います。
せっかく過払い金請求をするからには、メリットは大きくデメリットは最小限に抑えて過払金の返還を成功させたいものです。

ご存じない人もいるかもしれませんが、過払い金請求は借金完済後だけでなく、返済をしている期間内でも申請することができます。
借金返済中であってもグレーゾーン金利による過払い金が発生していれば、債務者が債権者に対して過払い金請求をすることが法的に認められています。

過払い金請求は債務者にとって借金負担を減少させることが可能なので、借金返済中・借金完済後どちらのタイミングで申請してもメリットになることは事実です。

しかし借金返済中に過払い金請求をおこなうと、二次的影響による債務者へのデメリットが発生することがあります。

それが過払い金請求に伴う債務者の信用情報問題です。
借金完済後ではなくその前に過払い金請求を検討するのなら、信用情報に傷が付くリスクを覚悟しなければいけません。

借金額の方が多く返済が続く状況ではデメリットの方が多い可能性がある

借金が多く返済が長期化している契約で、借金完済前に過払い金請求を申請することはお勧めできません。

その理由は2つあり、信用情報が大きく関係しています。

信用情報に傷が付く

ひとつめの理由は返済を完了するまでに過払い金請求をすると、債務者の信用情報に傷が付いてしまうことです。
いわゆる信用情報ブラックと呼ばれるこの状態は、信用情報を必要とする多くの新規契約にトラブルを起こす原因になります。

契約者の返済リスクと判断される確率が高く、長期間新規クレジットローン契約を結ぶことが難しくなるのです。

契約先の金融機関での借入ができなくなる

ふたつめの理由は返済期間中に過払い金請求が認められ、引き直し計算後に借金が残れば契約先金融機関を利用した借入ができなくなります

借入が必要になれば代替手段を選ぶしか対処法がなく、返済に利用できる手段をひとつ失うことになるのです。
デメリットを考えず安易に過払い金請求をすることは得策ではなく、タイミングをしっかり考えて実行することが大切です。

戻ってこない場合もある

過払い金請求が必ずしも成功するとは限らず、債務者が手続きをしても過払い金が返還されないケースもあります。

過払い金請求の失敗例
①契約内容がグレーゾーン金利ではなく法定金利内である
②過払い金請求の時効成立
③闇金など違法貸金業での契約

過払い金請求に該当するのはグレーゾーン金利での契約に限られるため、金融会社が法定金利内で貸し付けている場合は当然お金は返還されません。

これは過払い金請求をする時に契約内容の精査を怠ることがひとつの原因になります。

可能性のない行為に時間と労力を割くことになり、契約中の金融機関から目をつけられるなど不要なリスクを背負うことになるので注意してください。

また過払い金請求は5〜10年という時効があり、利息期間を経過した契約に対して債務者が返還を求めることはできません。

契約先が違法貸金業者の場合、債務者の過払い金請求に誠意をもって対応することはないと考えるべきでしょう。
違法貸金業は返済期間中であれば債務者の法的な支払い義務はありませんが、すでに完済してしまっている場合は過払い金を取り戻すことは極めて難しくなります

過払い金請求をするメリット

過払い金請求に成功するとグレーゾーン金利での過払いが返還されるだけでなく、過払い金に対する利息も手元に戻ります。
借金を完済しているタイミングで過払い金請求を成功させれば、非常に大きなメリットになるでしょう。

また借金がまだ残る返済の途中であっても、弁護士を通して過払い金請求を通知することで一時的に取り立てが停止されるのもポイントです。
返済途中でも過払い金請求の引き直し計算で算出した金額借金の金額を相殺できれば、過払い金請求が成功した時点で、借金問題を終わらせることも可能です。

仮に過払い金請求で借金がすべてなくならなくても、法的な借金減額により債務者の返済負担は大きく軽減されるメリットがあります。
しかしこの場合はメリットだけでなく、今後は借金完済に影響する制限も同時に発生することになるので、慎重な過払い金請求の利用を考えなくてはいけません。

借金返済中:毎月の返済額が減る・取り立てがなくなる

借金返済中の過払い金請求は、借金完済状態と比べてデメリットも発生します。

そのためより慎重に過払い金請求を検討する必要があり、引き直し計算後に借金が完済できるか借金が残るかに分けてメリットを考えることをお勧めします。

過払い金請求による引き直し計算とは
金融融資の貸付・借入で発生するすべての金額を現行の利息制限法で見直し、超過した過払い金額を残債している元本に充当させ、借金の金額を再計算すること
別名元本充当計算とも呼ばれる

引き直し計算で過払い金充当後に借金を完済できる場合は、過払い金請求が認められた時点で借金問題を終わらせ取り立てからも解放されます。

このケースに該当する契約であれば、絶対に過払い金請求をするべきです。

引き直し計算で過払い金充当後に借金が残る場合は、過払い金を充当することで借金元本が減り毎月の返済額も減少するメリットがあります。

法的に借金減額が可能なので、債務者の返済期間の短縮・返済負担軽減が見込めます。
また借金支払い過程であっても、弁護士による過払い金請求であれば取り立てを一時停止させることが可能です。

しかし過払い金請求後に借金が残っていた場合、債務整理と同等の扱いとなり金融事故として信用情報機関に記録されることは避けることができません。

このメリット・デメリットを判断しないで過払い金請求をすると、最悪の場合過払い金請求をしたことを後悔する結果になります。

借金完済後:過払い金が返還される

契約を履行しすべての借金を完済している状態であれば、過払い金請求により余分に支払ったお金が債務者へ戻ってきます。

過去の取引履歴を利息制限法で見直し、上限金利20.0%を超えて支払った金額を再計算することで返還金額が決まります。
債務者が債権者に対しておこなう過払い金請求には、過払金元本に対して利息が発生します。

利息は金利5.0%(注3)で計算することができ、過払い金発生から返還されるまでの期間に利息として元本に上乗せされるので、利息だけでも軽視できない金額になります。※(注3)R2.4.1より前に発生していた過払金返還請求の利息は年5%のままです(H2.4.1より前に完済していた取引など)が、他方、R2.4.1以後に過払い状態になった場合,その過払金返還請求の利息は改正後の利率(施行日時点では年3%)になります。

債務者は過払い金を計算するときに利息を含めない無利息方式・利息込みの利息充当方式の2種類から適切と思う計算方法で金額を算出します。
過払い金請求に利息を含めるかは債務者の判断に委ねられ、債権者に請求するときの交渉で有効に機能します。

過去の契約の金利の数字・返済期間次第では、過払い金の5.0%の利息だけでも大きな金額になり、利息を含めた過払い金請求が成功すれば大きなメリットになります。

過払い金請求をするデメリット・リスク

過払い金請求で起こるリスクを軽視することは危険です。

借金返済中に過払い金請求をすることは可能ですが、このタイミングで請求すると借金完済・減少にかかわらず以後契約している会社からの借入ができなくなります
これは借金返済中の会社から社内のブラックリストに記録され、借入申請をしても却下されてしまうことが原因です。

過払い金請求は法律で認められている制度ですが、貸付側の金融機関は過払い金請請求に対しネガティブな反応を示すことは事実です。

また過払い金請求で借金が残ってしまった場合は、契約先だけでなく他の金融機関の新規契約ができなくなります
過払い金請求後に借金がある場合、債務者の個人情報がブラックリストに入ります。

これにより一定期間すべての金融機関で、借入が極めて難しくなるペナルティを課せられることになり、借入による借金返済という方法を選ぶことができません。

また過払い金請求では5〜10年の時効が規定されており、時効成立した契約に対しては請求することはできません。
過払い金請求先の会社が倒産している場合は、請求をしてもお金が戻る可能性は極めて低いという事実も知っておいてください。

借金返済中:以後借入ができなくなる・ブラックリストにのる

過払い金請求を借金完済前のタイミングでおこなうと、多くのデメリット・リスクが起こることを考慮する必要があります。

借金完済前に過払い金請求をするデメリット
①過払い金請先での借入ができなくなる
②過払い金請後に借金が残れば新規クレジットカード作成が困難になる
③信用情報がブラックリストに入ることで保証人になることができない

過払い金請求を借金完済前にすると、請求先金融機関からは借入をすることができません

引き直し計算後に借金完済になれば信用情報が傷付くことはありませんが、請求先の金融機関の独自判断により借入を断るケースが多いのです。
契約規約に過払い金請求後に生じるペナルティが明記されていなくても、以後の借入はできないと理解しておく必要があるでしょう。

過払い金請求の引き直し計算で借金が残った場合、過払い金請求は債務整理と同等の扱いをされ、信用情報機関に個人情報が記録されます。
実質的に過払い金請求をすることは、金融事故を起こしたと同義と考えて差し支えないでしょう。

信用情報がブラックになることで、高い確率でクレジットカード・ローン審査でトラブルとなり、契約を見送られるペナルティを課せられます。
同様に信用情報がブラックリストに入っていることで、保証人として契約することもできなくなります

借金完済後:倒産・時効成立で請求ができない可能性がある

過払い金請求を借金完済後にすると、信用情報がブラックになることはありません。
請求先の金融機関を除いて、違う金融機関と新規契約も可能になります。

しかし過払い金請求時の状況タイミングによって請求が無効になる可能性があります。

過払い金請求ができない原因
①過払い金請求請先の会社が倒産している
②過払い金請求の時効成立

過払い金請求のタイミングですでに請求先の会社が倒産している場合、請求ができないケースがあります。

倒産により会社として請求に対応することができない状態となり、債務整理で債権回収されているため過払い金を全額返還することは極めて困難になります。
過払い金請求が認められてもわずかなお金しか戻ってこない可能性も考慮してください。

過払い金請求には時効があり、過去には10年の時効期間が規定されていました。
しかし2020年に民法改正で権利を行使できることを知った日から5年と規定が変更されており、過払い金請求の猶予期間も借金完済タイミングで異なります。

借金完済から5〜10年経過している場合は、時効成立により過払い金請求ができないと覚えておきましょう。

過払い請求は自分ですることができる

過払い金請求は一般的に弁護士に依頼する人が大半ですが、自分で請求することも可能です。
自分で過払い金請求を成功させることができれば、弁護士の相場手数料10万円の費用が必要ありません。

しかし過払い金請求には法律の知識が必須であり、自分だけの過払い金請求は極めて難易度が高いとお伝えしておきます。

過払い金請求に必要な過去の取引履歴を収集するのにも、個人より弁護士の力を借りた方がスムーズに進行し、必要書類も確実なものを作成することができます。
またすべての取引履歴をもとに引き直し計算をする必要があります。

請求通知を郵送後は契約先の金融機関と交渉が始まりますが、正直なところ個人を相手に金融機関がどこまで誠意ある対応を示すのかは未知数になるでしょう。
弁護士という専門家を立てることは相手先に良い意味で危機感・プレッシャーを与え、真剣に過払い金問題に取り組んでもらう動機としても機能するのです。

債務者債権者がお互い納得できる交渉を進めるためにも、過払い金請求は弁護士に依頼して返還までサポートしてもらうことをお勧めします。

過払い請求をする時の流れ

過払い金請求は請求から返還までを自分だけで完了させることも可能です。

一般的に過払い金請求は弁護士など専門家に依頼する人が多いですが、過払い金請求に必要な作業・手順などは自分でやる場合でも同じ流れになります。

過払い金請求の流れ
①取引履歴を集める
②引き直し計算による過払金の算出
③請求先に請求通知を郵送
④請求先と交渉
⑤交渉がまとまらない場合は訴訟準備
⑥過払い金の返還

最初に契約で生じた過去の金融取引の履歴をすべて取りまとめ、正確にリストアップする必要があります。

集めた情報から引き直し計算をおこない、過払金として請求する金額を計算し、書類としてまとめます。
計算が正確でないと虚偽請求のリスクもあるので、確実な事実をもとにミスなく算出することが重要になります。

次にまとめた書類は過払い金請求先の会社へ請求通知として郵送し、請求先と交渉を開始してください。

交渉を続けても会社が過払い金請求に合意しないとき、裁判の訴訟準備が必要になります。
最終的に裁判で過払い金請求が許可されると、過払金として算出した金額が返還されます。

自分で過払い金請求をするメリットとデメリット

過払い金請求を自分でするか、弁護士に依頼するかは本人の判断に委ねられます。
どちらの方法を選んでも、最終的に納得できる過払い金請求ができるようにメリット・デメリットをしっかり検討してください。

自分で過払い金請求をすれば、弁護士に依頼する手数料を削減できるメリットがあります。
手数料の内訳は過払い金報酬金・着手金・解決報酬金です。

デメリットは弁護士を介さないことによる過払い金請求の交渉難易度が高くなることです。
個人と弁護士では同じ交渉内容でも影響力に違いがでるといわざるを得ません。

自分で交渉を進めた場合は金額・支払い期日などが債権者側に有利に進んでしまう可能性も十分考えられるのです。

その結果返還金額の減少交渉長期化のリスクが高くなります。

また過払い金請求を進めることで、過去の借金事実家族や周囲の人間に知られてしまう危険性も考慮する必要があるでしょう。

メリット・デメリットを比べて、それでも自分で過払い金請求をすると決めたのなら、その後に起こるトラブルも覚悟する必要があります。

自分で過払い金請求するメリット 手数料がかからない
自分で請求するデメリット 戻ってくる過払い金が少なくなる
手間がかかる、時間がかかる
家族にバレる可能性が高まる

過払い請求を相談するならどういう事務所がいいか、選ぶポイント

過払い金請求を依頼することを考える時、問題となるのが相談する事務所選びです。
法律関係のトラブルには多くの事務所が対応していますが、過払い金請求に的を絞って考えた場合、事務所を選ぶ時に参考にしていただきたいポイントがあります。

まず過払い金請求での豊富な成功実績がある事務所に依頼することを意識してください。

事務所として過払い金請求の実務経験が多く、色々な状況での過払い金請求実績が確認できれば、高い成功率を見込むことができます

またホームページで過払い金請求に言及したキャッチフレーズが多い事務所も、過払い金請求を得意とし、自信の表れとして強調している可能性が高いのです。

詳細な見積もりを事前に提示している事務所は、見積もりと実際の料金に乖離がなく、費用面で納得した過払い金請求をすることが可能です。

依頼する事務所は法律実務の対応範囲に制限のない弁護士事務所を選ぶ方が、司法書士の事務所に比べて安心して過払い金請求を一任することができるでしょう。

実際に過払い金請求以外でも借金問題で有効となる、減額診断による無料相談を受けることも選択肢に入れることをお勧めします。

法律の観点から簡単な質問で有益な情報を知ることができるので、事前に減額診断を受け過払い金請求を滞りなく進める手段のひとつとして活用してみましょう。

過払い請求の実績があり、得意な事務所

過払い金請求の成功確率を上げるには、確かな実力をもつ事務所を選ぶことが大事です。

弁護士の実力は実績として形となり客観的に表れるので、過払い請求を依頼するひとつの目安となるでしょう。
また近年過払い金請求を求める人の需要が増えており過払い金請求が得意な事務所はネームバリューとして大きくプロモートしています。

公式ホームページや広告で過払い金請求の実績を強調している事務所であれば、それは自信の表れと考えることができるのです。

まずインターネットで過払い金請求を強調している事務所をピックアップし、無料相談することをお勧めします。
過去の実績や自分と同じ様な事例ではどのような過払い金請求になるのかなど、情報を積極的に集め事務所選びの判断材料にしましょう。

手数料(相談料・着手金・成功報酬・実費など)の明細が明確でわかりやすいこと

過払い金請求を依頼する事務所を選ぶときには、手数料も大事なポイントです。
手数料は相談料着手金成功報酬実費などの内訳で費用が変わり、利用金プランは事務所によって違います。

できるだけ費用を抑えたいと考えるのであれば、依頼前に手数料を含め過払い金請求にいくらのお金が必要なのか正確に把握する必要があります。
もし依頼しようと思う事務所が見つかっても、そこで止まらず複数の事務所を候補に選ぶことをお勧めします。

複数の事務所を比較検討することで、事務所が提示している料金が妥当かどうか判断できるのです。
見積もり金額と実際の過払い金請求の金額に大きな開きがあれば、見積もりをする意味がありません

見積もり段階で手数料が明確でわかりやすいことは、過払い金請求の事務所選びには必須条件といえます。

過払い金の請求額が140万円以上であれば司法書士ではなく弁護士のみ

法律知識の専門家である弁護士司法書士ですが、両者の間には法律において明確な線引きがされています。

弁護士
・裁判で請求金額に制限がない
・すべての裁判で示談交渉・訴訟代理行為ができる

司法書士
・裁判で請求できる金額は140万円まで
・簡易裁判所の管轄を超える裁判は示談交渉・訴訟代理行為の権利をもたない

弁護士は裁判をはじめ多くの法的実務で制限を受けることはありませんが、司法書士の場合は扱える裁判の種類や金額に規定があり、法律により細かく実務が制限されています。

もし過払い金請求にトラブルが起こり請求以外で法的実務が必要になっても、司法書士だと対応することができない可能性もあります。

予期せぬ問題が起こっても迅速に対処できるよう、特別な理由がない限り過払い金請求は弁護士に依頼する方が安全策といえるでしょう。

借金減額シミュレーターを利用して無料で相談をしてから検討する

現在債務者として借金返済を繰り返している人は、過払い金請求をすると信用情報ブラック金融機関からの借入不可などのリスクが発生します。
状況次第では過払い金請求を選択したことを、後になって後悔する結果になることも念頭に置く必要があります。

もちろん過払い金請求はメリットがありますが、そこばかり着目しリスクを考慮しなければ、本当の意味で借金問題を解決することは難しいのではないでしょうか。

法的に認められている借金減額は、過払い金請求だけが方法ではありません。
過払い金請求を自分・弁護士で検討している人でも、減額診断による借金減額シミュレーターを試してみることを選択肢に入れてください。

多くの督促取り立てに悩む人借金が返せなくて行き詰まった人が、減額診断を有効活用して借金問題を解決させています。

簡単な質問で無料相談ができ、減額可能か専門的に判断できるシミュレーターを利用することは、借金から解放される現実的な近道になるのです。
また減額診断を受けることで今の借金状況を把握することは、これから過払い金請求を考える人にも有益なツールとなるでしょう。

この記事の監修弁護士
田中 陽平
事務所名 田中・大村法律事務所
登録番号 47800
弁護士会 兵庫県弁護士会 田中 陽平

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