クレジットカードは、手元にお金がなくても支払いができるのでとても便利ですが、いくら使ったのかがすぐにわからないため、必要以上に使い過ぎてしまう人もいます。気をつけて使えばいいだけだと思いがちですが、「クレカ生活はやめたいな」と心労が増え、実際に使い過ぎて支払いができなくなってしまう人は後を絶ちません。
人によってお金への価値観や使い方は異なるため、クレジットカードと相性が悪い人は一定数存在します。クレジットカードを使うことで、デメリットがメリットを上回るのであれば、素直にクレジットカードの使用をやめるべきです。
クレジットカードの支払いで毎回お金がなくなってしまう人のために、クレジットカードでお金を使い過ぎてしまう人の特徴や、カード払いから脱却する方法について紹介します。カード払いをやめたい人はもちろん、自分がクレジットカードを使い過ぎないか心配な人も、ぜひ目を通してください。
- クレジットカード払いの生活は、支払いが見えないのでお金を使い過ぎてしまう
- クレジットカード断ちをするなら、家計簿をつけるところから始める
- カード生活は現金払いより支出管理が難しい
- 現金払いは、クレジットカード払いより手間が増えるかわりに無駄遣いしづらい
- クレカ生活をやめたい人は、デビットカードもあり
クレジットカード生活をやめるメリット
クレジットカードを使わなくなれば、支払いはすべて手持ちの現金だけでおこなうことになります。何にいくら使ってどれだけ残っているのかが一目でわかるので、支出の管理が非常に簡単です。
また、手持ちのお金がなくなればそれ以上お金が使えないので、無駄遣いも減らせます。今自分が使えるお金の総額が明確になるため、計画的にお金を使えるようになる点も、大きなメリットです。
- 支出の把握が楽になる
- 手持ちのお金以上に出費が増えない
- 計画的な支出管理の意識が芽生える
現金生活に戻すことで現金支出の管理がしやすい
クレジットカードでの支払いをやめることで、支払いは財布の中の現金を使うことになります。今いくら入っていて、どんな内容でいくら使ったのかが直接確認できるため、支出の管理が容易です。
クレジットカードでも会員サイトなどで使った金額の把握はできますが、反映が遅い支払いもあるため、今現在の支出を正確に判断するのが難しいです。また、いちいちサイトをチェックするのは面倒なので、いつでも確認できるにもかかわらずチェックを怠ってしまう人は少なくありません。
支出の現状把握は緊急性が低いため、すぐできないと後回しにして忘れてしまう人も多いです。現金決済だけになれば、思い立ったときにすぐに支出が把握できるため、お金の使い過ぎを自主的に抑制できるようになります。
手元にあるお金でしか買い物や食事ができないので無駄遣いが減る
クレジットカード払いの恐ろしい点は、今使えるお金以上の支払いができてしまうことです。計画的な資金管理をしていないと、収入や貯金以上にお金を使ってしまい、支払いを滞納してしまうリスクがあります。
一方、現金での支払いであれば手持ちの金額以上の支払いができないため、どんなに使おうと思っても使える金額に上限があります。事前に財布の中に入れておく金額を決めておけば、想定以上の出費をする心配もありません。
自分がいくら使えるのかが明確にわかると、支出の管理を意識するようになり無駄遣いが減ります。クレジットカードを使っていた頃には、つい買い過ぎてしまっていた人でも、現金払いであれば自分を律しやすいです。
クレジットカード生活をやめるデメリット
クレジットカードは、正しく使えば非常に便利なアイテムなため、持っていないと相応の不便さを感じます。たとえば、クレジットカードであればスムーズに終わる支払いでも、現金払いの場合はお札と小銭を探さなければいけないため、時間がかかります。
持ち運ぶのがはばかられるほどの大金を支払う場合でも、クレジットカードであれば余計なリスクを背負う必要はありません。しかし、現金は盗難後に使われた場合、クレジットカードと違って損失を取り戻すことはほぼ不可能な点も大きなデメリットといえます。
さらに、クレジットカードはポイント還元サービスがあり、現金払いよりも得をする場合がほとんどです。使い方さえ間違えなければ、現金払いがクレジットカード払いよりお得になるケースはほぼありません。
- 支払いに時間がかかる
- 大金の支払いにリスクが生じる
- ポイント還元などのサービスが受けられない
日常的な買い物する時、支払いに時間がかかる、小銭が増える
クレジットカードでの支払いは、金額を問わずカードを読み込むだけなので、素早く終わります。一方、現金払いでは都度必要なお札と小銭を財布から取り出す必要があるため、支払いに時間がかかってしまいます。
休日の混雑しているレジで、小銭が見つからず後に並んでいる人を待たせてしまい、忍びない思いをする人は少なくありません。支払いの速度では、どうしてもクレジットカードに劣ってしまいます。
また、財布の中に小銭が多くなってしまうため、財布が重くなるデメリットも存在します。小銭が増えれば余計に探すのに時間がかかることから、小銭が不要なクレジットカード払いとの差がより顕著です。
大きな買い物をする時にはその金額の現金を持ち歩く必要がある
クレジットカード払いであれば、大きな金額だったとしてもクレジットカードの限度額まではカード1枚で支払いができます。しかし、現金払いで高価な買い物をする際は、大量の現金を持ち運ばなければいけません。
紛失によるリスクはもちろん、盗難によるデメリットも大きいです。クレジットカードであれば、盗まれて悪用されても、カード会社に申請すれば取り消してもらえます。一方、現金を盗まれてしまったら、使われた現金を取り戻すのは難しいです。
また、大金を持っていることによる、心理的ストレスも無視できません。大きな買い物をする際は寄り道をしづらいなど、行動に制限が生まれてしまう点は、明確なデメリットといえます。
クレカ払いでのポイントは貯まらない
クレジットカード払いでは、支払い金額に応じてポイントが貯ります。還元率はカードによって異なりますが、還元率の高いカードであれば利用額の1%がポイントとして付与されるケースが多いです。
たとえば年間で200万円使う人がすべてクレジットカード払いをすれば、2万円分ものポイントが得られます。同じ金額を使っていても、現金払いとクレジットカード払いでは使える金額に大きな差ができます。
また、各種キャンペーンや連動サービスによって、もらえるポイントはさらに増えることも珍しくありません。クレジットカード払いは現金払いに比べお得な点でみると、現金払いが劣る点になります。
ネットショッピング時には、コンビニ払い、請求書払いとなり手間がかかる
クレジットカードは、ネットショッピング時にも便利な支払い方法です。タップ一つで支払いが完了するため、あとは商品が届くのを待つだけで済みます。一方、現金払いの場合は、各種コンビニや銀行、着払いなどで都度支払いを済まなければいけません。
支払いのためだけにわざわざ用のないコンビニや銀行に行くのは手間がかかりますし、出かけた先で余計な買い物をしてしまうリスクもあります。着払いでの場合は、置き配や配達ボックスの活用ができないため、到着まで家で待たなければいけません。
ネットショッピングは利便性がメリットですが、現金払いの場合はそのメリットを十分に生かせない点は、明確なデメリットといえます。
クレジットカード支払いで給料がなくなる人の特徴
クレジットカードを使ってお金を使い過ぎてしまう人は、そもそもいくら使ったのかを把握していないケースが多いです。都度支出の状況をチェックしないばかりに、支払い日になってからお金が残らないことに気づいてしまいます。
また、支払いをすべてクレジットカードにしていると、お金を使った実感がわかないため、つい必要以上に使い過ぎてしまいます。クレジットカード払いは便利ですが、お金を使っている感覚がない点には注意が必要です。
加えて、クレジットカードにはリボ払いや分割払いなど、お金がなくても支払いを先延ばしにすることで、さらに買い物を続けられるサービスが備わっています(リボ払いと分割払いの違いをわかりやすく説明)。支払いを先延ばしにするサービスに抵抗感がなくなってしまうと、いつまでたってもお金は貯まりません。
- クレジットカードで給料がなくなる人は、いくら使ったのか把握していない
- 全部クレジットカード払いにすると、お金を使っている実感がわかない
- リボ払い、分割払いに慣れると余計にお金が貯まらなくなる
クレジットカードでの支払い総額を把握していない
クレジットカードでつい使い過ぎてしまうのは、クレジットカードでいくら使ったのかを把握していないからです。クレジットカードは上限はあるものの毎月の給料以上に使えてしまうために、支出の管理が甘くなってしまう人は少なくありません。
細かくクレジットカードの利用金額を把握している人であれば、給料との差し引きであといくら使えるのかを明確にしているため、使い過ぎることはありません。しかし、いくら支払いがあるのかわからない人は、支払い日になってから使い過ぎに気づくケースが多いです。
会員サイトなどで確認することも大切ですが、使い過ぎてから確認しても意味がありません。クレジットカードを使う前に、頭の中である程度支出管理ができる人でないと、使い過ぎて給料が全部持っていかれるといったことになってしまいます。
なんでも全部クレジットカード払いにしている
手間がかからないことから、すべてクレジットカード払いにしている人は多いです。しかし、クレジットカード払いは自分が日々なににお金を使っているのか把握しづらいため、使い過ぎにの原因になってしまいます。
たとえば、サブスクリプションをはじめとした月額料金の支払いは、直接購入するものではないため忘れがちです。特に、年会費の支払いは金額が大きいうえに忘れやすいことから、支払い日になって予想外の支出になりやすいといえます。
クレジットカードでの支払い金額を正確に把握するためには、月ごとにどんな支出があるのかを理解しておく必要があります。単に便利だからとすべてカード払いにしてしまうと、頭から抜け落ちていた支払いによって支払い金額が多くなりがちです。
リボ払い、分割払いに抵抗がない、利息を考えていない
クレジットカード払いは、お金がないときでもリボ払いや分割払いを使い、支払いを先延ばしにできます。しかし、これらのサービスには利息がつくため、支払いが遅くなればなるほど、最終的に支払う金額は多くなってしまいます。(リボ払いの上手な使い方とは?便利に使う方法や注意点等解説)
普段からリボ払いや分割払いに頼っていると、お金がなくてもどうにかなると思ってしまい、サービスへの抵抗感が薄れてしまいます。ですが、普通の支払い以上に支出が増えてしまうこれらのサービスを利用し続ける限り、お金を貯めるのは困難です。
クレジットカード払いをすると貯金ができないは本当なのか
結論から言えば、クレジットカード払いをする人でも貯金はできます。支出の管理を徹底し、今月いくら支払いがあるのかを明確にしておけば、クレジットカードを使っていても使い過ぎて給料がなくなるといった事態にはなりません。
また、クレジットカードにはポイント還元をはじめとした、お金を貯めやすくなるサービスが備わっています。各種機能を有効活用すれば、むしろ現金払いよりも多くのお金を貯められる決済方法です。
クレジットカードの失敗は多くの人が経験することなので、1度や2度の失敗からクレジットカードでは貯金ができないと思う必要はありません。失敗を糧にして、同じ失敗をしないためにはどうしたらいいのかを考えることが大切です。
- クレジットカード払いでも、貯金は貯められる
- ポイント還元を活用すれば、貯金のペースを早められる
- クレジットカードに失敗はつきものなので、次に失敗しない方法を考える
支払限度額を決め、使い過ぎなければ貯金はできるはず
クレジットカードを使ったからと言って、支払い金額そのものが多くなるわけではありません。使った分だけ支払いが発生するのは現金と全く変わらないので、使い過ぎなければ貯金のためのお金は残ります。
つい使い過ぎてしまう人は、支払いの限度額を自分で決めるとよいです。決めた金額以上は使わないことを徹底すれば、少なくともそれ以上支払い金額が増えることはありません。
最初は大雑把な金額設定で構いません。簡単な制約を決めるだけでも、無駄遣いは減らせるからです。慣れてきたら、使える金額を支払いのたびに意識して、使える金額を残りの月でどう使っていくかを考えてみてください。
ポイントも貯まるしうまく活用すれば便利な決済方法
クレジットカードのポイント還元は、単純にメリットのあるサービスです。クレジットカードを使えば使うほどポイントが貯まるため、支出を把握しながら活用することで、貯金が貯まるペースがわずかながら増加します。
また、決済のためにコンビニや銀行に足を運ぶ必要がなくなるため、余計な移動による時間やお金のロスを防げます。クレジットカードには様々なメリットがあることから、使い過ぎに気をつけて、各種サービスやポイント還元を有効活用できれば、現金払いよりも貯金を貯めやすいです。
クレジットカード払いを脱却する方法
どうしてもクレジットカードの使い過ぎに悩んでいる人は、クレジットカード払いからの脱却を目指すのも1つの方法です。まずは、手持ちのクレジットカードを1枚だけにして、余計なカードを持たないようにしてください。
また、支払った金額を明確にするために、家計簿をつけることをおすすめします。家計簿はいつでも手軽に支出状況をチェックできるため、意識的に使い過ぎを防ぐのに効果的です。
それでもクレジットカードを使い過ぎてしまう人は、デビットカードに変えることも検討してください。デビットカードであれば利用額が即座に引き落とされるため、貯金以上に使ってしまい支払いに困る心配はありません。
- 複数枚クレジットカードを持っている人は、1枚に減らす
- 家計簿をつけて、支払い状況を明確にする
- デビットカードへの変更も検討する
クレジットカードの枚数を減らす、1枚だけにする
クレジットカードは複数持っていると、利用金額や支払い日が混ざってしまい、使い過ぎや残高不足の原因になります。利用の少ないクレジットカードは解約し、なるべく1枚のカードだけを使うことが大切です。
クレジットカードが1枚だけならば、会員サイトを通じていくら使ったかの把握もしやすいですし、支払い日を間違えにくいです。支出管理の面からも、クレジットカードはなるべく1枚に統一すべきといえます。
しかし、ネットショッピングや緊急時の支払いなど、クレジットカードに頼らざるを得ない場面もあるため、無理にすべて解約する必要はありません。もちろん、1枚のクレジットカードを使い過ぎては意味がないため、基本的にはカード払いに頼らない生活を心がけてください。
支払い明細を確認し家計簿をつける
支払い状況を正確に把握するためには、家計簿をつけるのが最も効果的です。クレジットカードの会員サイトでは、反映が遅いものはすぐ把握できないため、アナログでの管理が最も確実といえます。
また、家計簿をつけていると自分の支出状況を頭で把握しやすくなるため、支出管理能力も高まります。使い過ぎに悩んでいる人は、家計簿をつける癖づけをして、支出に対する意識を高めていくことが大切です。
デビットカードにする
どんなに気をつけてもクレジットカードを使い過ぎてしまう人は、デビットカードを使ってみるのもありです。デビットカードはクレジットカードと同様のカード決済できますが、デビットカードは決済したら、即時に口座から引き落とされます。
口座の残高さえ把握していれば、使った金額と残高から使える金額をイメージしやすいため、クレジットカードよりも支出管理が簡単です。口座残高以上には使えないため、デビットカード専用の口座を作っておけば、貯金をすべて使い切る心配もありません。
また、デビットカードはリボ払いや分割払いができない点も、大きな特徴です。利息によって余計なお金がかかってしまうこれらの支払い方法を選べないのは、貯金を貯めたい人からすれば大きなメリットといえます。
カードによっては、ポイント還元がある点も見逃せません。デビットカードを活用すれば、クレジットカード特有の使い過ぎるデメリットを回避しつつ、ポイントや手軽な支払いというメリット部分だけを享受できます。
この記事の監修ファイナンシャルプランナー |
吉野 裕一 |
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事務所 | FP事務所MoneySmith |
所属 | 日本FP協会 |
保有資格 | 2級ファイナンシャルプランニング技能士、AFP、二種証券外務員、2級DCプランナー、住宅ローンアドバイザー、生損保募集資格、終活ガイド上級資格・信託コンシェルジュ |
吉野裕一公式Twitter | @FP440 |
吉野裕一公式YouTube | FP事務所 MoneySmith |
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この記事の監修者 | 山口学 |
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